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Vol.023 [2003/04/02 Wed]
「同級生の山田君」
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20年程昔のある冬の朝の、高校の教室での出来事。

担任が出欠を取り終わると、
「山田はまた遅刻かぁ〜?
 あいつ、ここんところ毎日遅刻だなぁ」

そうです、山田君、ここしばらくこの時間に間に合っていません。

ほどなく、教室の後ろの入り口から、
そろ〜っと山田君の登場です。

(担任)「山田ぁ〜、最近ずっとじゃないか!?」
(山田)「えっ、なにがですか?」
(生徒達からくすくすと笑い声)
(担任)「なにがじゃないよ、遅刻だよ、遅刻!」
(山田)「はぁ」
(生徒達からまたも、くすくすと笑い声)
このとぼけた感じが、山田君のキャラなのですが・・・

(担任)「なんで、そう遅れるんだ?毎日」
(山田)「俺、自転車通(学)じゃん?」
(担任)「おう」
(山田)「最近、向かい風が強くてさぁ〜、結構漕ぐのきついんだよぉ」
(担任)「で、遅刻になるってかぁ?」
(山田)「そう」
(担任)「だったら、家を早く出れば良いだろ、風のことも考えて」
(山田)「え〜っ」
(担任)「あたりまえだろ、そんなこと」
(山田)「先生はいいよ、自動車通(勤)だもん」
(担任)「ん!、そりゃそうだよ。だけどおまえは自転車」
(山田)「やってみりゃいいじゃん、先生も!」
(担任)「?」
(山田)「追い風の中、自転車漕いでみっ!、えらいで(かなりキツイの意味)」
(担任、生徒達、爆笑)
(担任)「わかった、もう席に付きなさい」


この出来事。そのときは、私も笑って見ていたのですが、
年月が経てば経つほど、
山田君の「やってみりゃいいじゃん、先生も!」の言葉が、
深い味わいというか、教訓めいているように思えてなりません。


よく、人は人と比べたがります。
自分の仕事と他人の仕事。
自分の家と他人の家。
自分の妻(夫)と他人の妻(夫)。 笑
・・・

その比較は、結構単純な比較であることが多いのです。
「いいよなぁ、おまえは」とか、
「いいよなぁ、おまえのところは」なんて感じで。

でも人それぞれ、立場が違えば取り巻く環境も違うのですから、
そんな単純比較できる物事って、本当はないに等しい筈なのですが・・・

山田君は担任に、自分の置かれている環境を体で解ってほしかったんですよね、
きっと。
一般論や常識論ばかリ言うなと。

困難な状況や課題を共有してこそ、
本当に分かり合えるってことを、この山田君は言っているのかもしれません。
(ちょっと大げさ・・・かな?)


社会に出ると、
「反対をするなら、代替案を同時に出せ」
 (代替案がないなら、反対するな)
「批判は誰にでもできる、建設的な意見を持っていないなら口に出すな」
なんて事を言う人もいますが、

大事なのは、まずやってみること。
そうしないと、なにも始まらないし、進まないし、変わらない。
できない理由はいくらでも見つかるけれど、

できるようにするには何が必要で、その為に何をしたら良いのかを考えよう
そして、いま、できることから始めよう
何事もやってみなけりゃわからないんです。


同級生の山田君は、我が心の師匠なのです。



山田君とは、高校卒業後一度も会っていません。
昨年夏の同窓会にも、彼の姿はありませんでした。
いまごろ、どこでなにをしてるのかなぁ。
元気に、とぼけながら、ここぞという場面で笑いを取っているのでしょうか?
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